みなさんこんにちは!
今日も医師の循環器疾患・不動産投資まとめサイトにお越しいただきありがとうございます。
今日は浦田健さんの著書を紹介します。
タイトルは、もう、アパート投資はするな!利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法です。
浦田健さんと言えばウラケン不動産【浦田健公式】 - YouTubeの人気Youtuberとしても活躍されており、内容も非常にわかりやすくお勧めです。
今回の内容は、不動産投資を始めたいけど、アパートやマンションは1件ごとの金額が大きく失敗するのが不安な方、少額で戸建てから開始してみたい方、土地から戸建て投資を検討したことがある方にお勧めです。
では解説に進みたいと思います。
第一章:日本のアパ・マンが廃墟になる日
この章では現在、そしてこれからの、日本で起こり得る賃貸業界の今後を、データをもとに予測しています。
なぜ、人口は減るのにアパートが増え続けているのか?
(ちなみにこの本が書かれた2006年と現在2021年ではやや状況が異なり、今現在は住宅着工件数は減少しています。図参照)
増え続ける理由として、建設会社やハウスメーカーの企業の目的=建物を作り続けること、と述べられています。
新規住宅の着工は今後も一定で継続され続けるものの、日本の総人口は減少傾向です。
そのため住宅・土地調査による空室率は今後は全国規模で20%になるだろうと筆者は予想しています。
筆者は以前、千葉県で4000世帯にポスティング調査を行い(うち回答は107世帯)、84世帯で戸建て賃貸があったら住みたい、うち46世帯は戸建て賃貸の紹介を希望すると結果を得たそうです。
84/107世帯で戸建てに住みたい(需要は8割)という回答の一方、供給は0.1%であったことをきっかけに、2006年の時点で戸建て賃貸に着目されています。
戸建ては通常は実需向けに建築されており、引っ越しなどがない限り市場に出にくい、また土地から同規模の物件を作る場合は、利回りが高いアパ・マンが選ばれるため、供給が不足しています。
本書ではそんな「アパ・マン戦国時代を生き残る、アパ・マン大家の対策ポイントの解説」もありますので、ぜひ一度読んでみることをお勧めします。
第二章:貸してよし・住んでよし・売ってよし!戸建て賃貸の魅力とは?
この章で面白いと感じた点は、「先ほどの戸建て賃貸に興味があると感じた84世帯の中で、38世帯が戸建て賃貸であれば現在よりも5~15分程度であれば駅から遠くなっても良いと回答した」という点でしょうか。
駅から遠くなってもよい=普段あまり駅を利用しない→住まい選びの決定権は奥さん。
戸建て賃貸で成功するには主婦目線の立地を選ぶというのがこの章で得られた感想でした。
第三章:一生賃貸!でも戸建てに住みたい
僕自身は賃貸派で、戸建てを借りて住んでいます。
理由は賃貸では家賃補助が出る点、転勤になった場合に移動が楽、出身地は現在地と異なるなどが理由です。
特にこの家賃補助が出るのを理由にされている方も多いのではないでしょうか。
今は賃貸派が6割、購入派が4割と賃貸派が主流とされていますが、今後の行方に注目です。
戻りますが、この章では戸建てを買う派 vs借りる派 のメリットデメリットについて解説されています。
金利や控除、売却、新築時のコストなどが書かれています。
夢のマイホームは個人の価値観の差もありますので一概には言えないと感じました。
第四章:安くて売れる「新築戸建賃貸」を1000万円以下で手に入れる方法
この章では筆者が自ら工務店の親父となり、1000万円以下で戸建てを売り出したエピソードが書かれています。
戸建ての規模とコストは40万/坪を目安に、地方では2LDK~3DK(約18坪≒60m2)、家賃は7~8万で設定しています。
一方都市部では家賃を10~15万と見込みより大きな建物を作成できるとしています。(24坪≒78m2・3LDKなど)
筆者が実際に依頼した下請け業者が実名で出ており、いかにコストを抑えたかが書かれています。
ちなみに土地と建物は完全に分けて考えられており、土地はすでに所有している状況からスタートしています。
※なお土地を買っての戸建て投資は後半の章でお勧めしておりません。
私道と敷地延長を選ぶ際は、敷地延長が良い理由、接道は場合によっては3m以上必要となることがある等、少しマニアックな内容が書かれており勉強になります。
ほかにも水道管の引き込みは1戸当たり28万(なので井戸があれば井戸を使う)、プロパンガスを推奨、前面道路に下水管が無ければ浄化槽が必要(1棟あたり50万)など実体験ならではの内容が書かれており、応用できるかどうかはおいておいて、参考になる内容が豊富です。
在来工法(木造軸組工法)と2×4工法はどちらがよいか、乾燥材、ベタ基礎など、推奨される建て方に関しても、専門用語を介して知識が飛び交っていますので、土地から建てることを目標に考えている方は読まれることをお勧めします。
第五章:利回り20%以上の「中古戸建賃貸」をキャッシュで手に入れる方法
この章は土地をもっていない人がどうやって高利回りの戸建て賃貸を手に入れられるか、が書かれています。
物件検索の仕方はその他と大きく変わらないので割愛します。
築古は何年までのものなら買ってよいか、今まで悩まれた方もいるのではないでしょうか。
投資回収に要する年数×2倍を前提とすると筆者は述べています。
僕自身は不動産は数字だと考えていますので(入居に関しても最終的には人口と空き戸数の比率と思っています)、築古物件を購入する際の今後の判断基準になると良いかもしれませんね。
第六章:戸建て賃貸ならではのリスクとその回避法
戸建て賃貸ならではのリスク といえば、
1,空室発生時の損失はアパ・マンより大きい
2,商業地に戸建ては不向きであり、土地のスペック損となる(必然的にやや郊外の土地の価値の低い場所が投資の主体となる)
3,土地から購入すると採算が合わない
でしょうか。
その他にもいろいろと書かれていましたが、代表的なものとして上記のようなものが考えられると思います。
回避法に関してはそうだよね、というものから、なるほど!と思えるものまで様々ですので、ぜひ直接ご覧になって頂きたいと思います。
第七章:全国戸建てオーナーの本音
この章では全国のオーナーが実際にいくらで仕入れ、いくらで貸し出しているか、コメント付きで解説しています。
第八章:戸建て賃貸だからできる円満相続
この章は相続について戸建てのメリット(共有相続ではなく、個人ごとに所有ができる等)が書かれています。
僕自身も相続で物件を所有した経緯が有り、その際の注意点も以前少し説明したと思います。(相続物件の探し方は?不動産業者ではなく●●に聞く! | 医師の循環器疾患・不動産投資まとめサイト)
ちなみにですが、「不動産は相続対策になる」というのは不動産貸付用の宅地(駐車場も含む)が200m2までのサイズであれば固定資産評価額の50%の評価減を受けることができるため、と考えられます。
小規模宅地等の評価減の特例というものに規定されておりますので、ご自身で確認してみると良いかもしれません。(No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁 (nta.go.jp))
まとめ
2006年時点での戸建て賃貸(黎明期?)の本ですが、今にも役立つ内容が多数かかれています。
特に戸建て賃貸を土地から建てる場合の注意点、リスク回避法、不動産と相続に関してはこの本以上に詳しい本に出合ったことはありません。
以上をふまえた僕の感想です。
初心者→プロ(★★★★★)
わかりやすさ (★★★☆☆)
実践向き (★★★☆☆)
再現性 (★★☆☆☆)
おすすめ度 (★★★★☆)
得点:3.4点/5点
戸建てをローコストで建てて、賃貸で貸し出すという点で再現性が少し乏しいかなという印象です。
内容は新しいことが多く、すでに何冊も読んできて一般的な内容はある程度理解されている方にとっても収穫はある本となっています。
これから1戸目という方にとっては多少、濃い内容となっているかもしれません。
いずれにしても学びは多いですので、ぜひご自身でも読んでみることをお勧めします。
以上、参考になればうれしいです。
今日もありがとうございました!
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