みなさんこんにちは!
今日も医師の循環器疾患・不動産投資まとめサイトにお越しいただきありがとうございます。
今日は定期借家のメリット・デメリットを実際に定期借家で貸し出している立場から解説したいと思います。
参考はこちらの本になります。
定期借家の疑問に関してはこの1冊があればほぼ解決すると思いますのでぜひご覧になって頂くとよいと思います。
ちなみに僕が定期借家で契約となった経緯はというとこんな感じでした。
(この時は定期借家に関してはほとんど知識がありませんでした。汗)
定期借家で募集かけてもよろしいですか?
定期借家なら一定期間過ぎればこちらで処理できますし、オーナーさんに負担かけたくないというか。
わいは敷金・礼金1,1で想定●●円の募集が見込めれば普通借家でも定期借家でも問題ないです。
ただ定期借家で入居付けに困ったら機会損失なんで早めに切り替えましょう。
任せてください。
→その後1か月で法人契約が決まる。
今回の内容では、定期借家を検討した方がいい場合、またその際の注意点がお伝えできると思います。
書評+合間に実体験談という形で進めていきたいと思います。
定期借家自体は今後主流となる流れだと思いますので、ぜひ知っておいていただきたいです。
第一章:賃貸経営の「新しい夜明け」はここから始まる!
まず、初めに、世界のスタンダードと日本のスタンダードを比較しています。
図は国土交通省の住宅市場動向調査です。
定期借家は全体の2%程度と極めてマイナーな状態と言えます。
筆者はこの状態(普通借家契約が主流の日本特有の状態)をガラパゴス契約と述べています。
※ちなみに欧米では定期借家契約が主流で日本とは真逆のようです。
なぜこのような状況になったのでしょうか。
諸説はありますが、戦後に、物価の上昇(特に地価の上昇)で、生活がままならなくなった借主を保護するようになったのがきっかけではないかと言われています。
要するに、住宅難の時代に借主の居住権を守るためにできたのが普通借家契約といえます。
しかし現在はこの、「借主有意な状態」により不当に居座られ、泣き寝入りする大家さんが増えてきてしまっているのが問題となってきています。
大家さんの立場を賃貸人と同等にしようとする動き=定期借家の導入だと考えられます。
第二章:三方良しの賃貸経営のために
第二省からは定期借家契約とは?という内容になっています。
定期借家とは一言で言えば、更新のない賃貸契約だと言えます。
図は国土交通省から出ている定期借家制度の概要です。
1,契約方法
定期借家契約では書類が3点必要になります。(普通借家契約では①と②です。)
①定期住宅賃貸借契約書:普通借家契約書の定期借家版と考えて頂ければOK
②重要事項説明書:普通借家契約書の場合と同様
③事前説明書:定期借家契約で追加で必要。「更新がなく、期間の満了に伴い終了する」ことを別紙で周知。
2,更新の有無
定期借家は更新という概念はありません。
ただし、再契約は可能です。
大家さん、借主の中には期間が終了したら退去しなくてはならないと思われている方もおられると思いますが、あらかじめ再契約型か終了型かを確認しておけば問題ありません。
一方で普通借家契約は正当な事由がなければ更新はされ続けます。
3,期間を1年未満とする建物の賃貸借の効力
これは要するに1年未満の契約も可能ということです。
自宅を半年間だけ定期借家にして貸し出すというのも理論上可能です。(以降は再契約または終了のいずれかとなります。)
4,中途解約の可否
よくある誤解の一つが定期借家は一定期間解約できないというものです。
表の赤枠にあるように、やむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、借家人の方から中途解約の申入れをすることが可能(申入れの日後1か月の経過により賃貸借契約が終了)と明言されていますので、契約が2年だから2年分払い続けなくてはいけないというのは完全な誤解だと言えます。
そしてオーナー側も定期借家契約期間中は原則解約は不可能です。
(ただし借主が契約違反をした場合は除く)
第三章:定期借家契約の様々なメリット
定期借家契約の大家さんにとってのメリットを書かれています。
+αで入居者、不動産管理業者のメリットを付け加えておきます。
1,大家さんにとってのメリット
①不良入居者を期間満了で退去させられる
②再契約時に家賃の改定がしやすい
③契約終了後は不法占拠→立ち退き料が不要
④自宅を期間付きで貸しやすい
⑤契約期間を決められる
⑥建て替えしやすい(退去が読める)
2,入居者さんにとってのメリット
①住み心地の良い物件となる
②不良入居者は退去させられる
③2年ごとの更新料が不要
④現状は相場より家賃が安い物件が多い
⑤再契約型であれば更新時にそのまま入居が可能
3,不動産管理業者さんにとってのメリット
①定期借家契約を説明することで入居者・オーナーの信頼を得られる
②不良入居者を比較的容易に退去させられるので、精神的な苦痛が減る
③入居者同士のトラブルが減り、苦情が減る
第四章:大家さんのための定期借家契約の始め方
この章では具体的に定期借家契約を始めるのはどうするか、が書かれています。
注意する点としてはポータルサイト入居者募集の時点で、定期借家契約(再契約型)とするように依頼する事だと思います。
例えば自宅を一定期間貸出し、その後はご自身で住む予定であれば定期借家契約(終了型)とします。
同じ定期借家契約でもその後の更新があり得るのか、ないのか、が借主にとっても親切だと思います。
契約書に再契約の文言入れておいた方が親切ちゃう?
もしオーナーさんで何か入れてあげようと思うのであれば、
今物件は再契約が可能である。
ただし、●●(周辺住民の苦情がひどい、滞納など)と考えられる場合は再契約は行わないとして、不可の場合を明記するのが良いと思います。
この章は、上記に加え、敷金・礼金の取り扱い、不良入居者に対する対応、入居者さんへの不安への対応の仕方などが網羅的に書かれています。
第五章:不動産業者のための定期借家契約導入のヒント
本書は第一章でも取り扱った通り、定期借家になれていない不動産業者さんのために、借主さんと契約を結ぶための注意点が書かれています。
不動産賃貸業、管理業の方にとっても有用です。
第六章:大家業は素敵な物語でできている
7つのStory仕立てで、実際の定期借家契約が説明されています。
この章の感想は、結局、人の役に立つことが重要。
人の喜ぶ姿≒自分の喜ぶ姿と感じました。
第七章:その他の活用事例
その他の活用事例として、築古アパートの建て替え、自宅、シェアハウス、ペット可、空き家、etc...。について一つずつ書かれています。
個々の詳細については割愛します。
実例で書かれており、とても参考になりますので内容に関しては直接読んで頂く事をお勧めします。
まとめ
以上、最強の定期借家入門の解説と経験談を解説いたしました。
今後定期借家は徐々にメジャーになっていくのではと感じています。
初心者→プロ(★★★☆☆)
わかりやすさ (★★★★★)
実践向き (★★★★☆)
再現性 (★★★★☆)
おすすめ度 (★★★★☆)
得点:4.0点/5点
この本1冊あれば定期借家に関して大体の内容が理解できると思います。
本日は、定期借家契約のメリット・注意点について解説しました。
管理業者から定期借家契約を打診された場合や、入居者に定期借家契約を検討している場合など、大家さんにとっての契約内容と注意点の参考になればうれしいです。
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今日もありがとうございました!