今日は病棟であった話。

僕は消化器は専門ではないので、今日の話は鵜呑みにせずきちんと自分でも調べてほしい内容です。

わい
ぷるる。ぷるる。がちゃ。○○(わい)ですけど。
看護師
あ、先生。さっき胃管入れた人のレントゲン確認してもらえませんか?
放射線科が少し深いって言ってます。
わい
え?そうなん?見てみるわ。
わい
こりゃ深そうやな。でも胃は超えてるし、いいんちゃうかな?
看護師
十二指腸が傷ついたりとかしないんですか?引かなくていいんですかねぇ??

と、こんな感じ。胃管が深いと傷つくんか?実際どうなん??って調べてみた。

PubmedをうろついているとDuodenal versus gastric feeding in medical intensive care unit patients: A prospective, randomized, clinical study(DOI: 10.1097/CCM.0b013e31819ffcda)なるものに遭遇。

結論としてあくまで非常に端的に言えば、この研究で使用した12frの経鼻胃管であれば、胃に入れるより十二指腸に入った方が、嘔吐や人工呼吸器関連肺炎が少なく、栄養状態も良かったらしい。(下痢や出血は差はなかったよう)

ただ、注意点がいくつか。この研究は最初は盲目的に経鼻胃管を押し込み、しかし十二指腸に入れられなかったものは胃カメラを使っている。今回のような『勝手に入ってしまった経鼻胃管』とは少し意味が違う。

ご存じのように十二指腸は壁が薄く、盲目的に押し込むと穿孔する危険がある。

また十二指腸に留置した後も、当初のプロトコール通り決められた投与速度や量で経管栄養を行われていた。(最初から十二指腸栄養になっても負担とならないような投与量や速度で経管栄養は開始された。)

結論としては、日常で使用する8frのED tube(下図)を仮にぐいぐい押さずに十二指腸に留置できたのなら、あえて引かなくてもいいんでは?と感じた。この研究で使用した12frよりも大きな16frの胃管だったら出血などの合併症が増えるんだろうか。。

日本コヴィディエン8-5737-03 EDチューブ(経鼻経腸栄養チューブ) 2.7mm(8Fr)

今日は自然に進んだ経鼻胃管が十二指腸にあっても大丈夫かどうかに関する内容でした。

以上、参考になればうれしいです。ありがとうございました!

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